三笠フーズによる事故米の不正転売問題で、大阪、福岡、熊本の3府県警は22日、食品衛生法違反(有害食品の販売)と不正競争防止法違反(虚偽表示)の両容疑で、24日にも大阪市北区の同社本社や九州工場など関係先の一斉捜索に乗り出す方針を固めた。汚染された事故米を政府から購入し、食用に転売した悪質な偽装は刑事事件に発展する。

 3府県警は、汚染米を転売した経緯や食用への転売で三笠フーズが得た利益など実態解明を目指し、詐欺容疑の立件も視野に捜査を進める。

 調べでは、三笠フーズは平成18年11月から19年5月ごろ、政府から農薬の殺虫成分メタミドホスに汚染された中国産もち米計800トンを購入。基準値以上の農薬が残留していたにもかかわらず、正規米に偽装して販売した疑い。

 また、大手商社「双日」が国から買い戻したアセタミプリドに汚染されたベトナム産うるち米598トンを業者を通じて購入。今年1月から5月、うち32・4トンを国産米として熊本県城南町の美少年酒造に販売した疑いが持たれている。