化学物質「メラミン」混入の疑いのある中国製牛乳を原料にした食品が日本国内で流通していた問題で、それぞれ商品の検査を行っていた丸大食品(大阪府高槻市)や大阪府、高槻市が26日、一部の商品からメラミンを検出したと発表した。検出されたのは4商品で、最高値は1キログラムあたり37.0ミリグラム。健康被害は確認されていない。専門家や府、市は「通常の食べ方では健康への影響はない」としている。国内に流通した食品からメラミンが検出されたのは初めて。

検出された商品は、クリームパンダ▽業務用のクリームパンダ▽抹茶あずきミルクまん▽グラタンクレープコーン。4商品はいずれも中国山東省の工場で製造された。

 丸大食品の検査ではグラタンクレープコーンから1キログラムあたり14ミリグラムを検出した。中国に残っていた牛乳からも検出した。

 高槻市保健所は、クリームパンダ(同37.0ミリグラム)▽グラタンクレープコーン(同13.6ミリグラム)▽抹茶あずきミルクまん(同4.0ミリグラム)▽業務用のクリームパンダ(同0.8ミリグラム)−−の4商品から検出した。

 大阪府は、業務用のクリームパンダ2検体(同36.6ミリグラム、同3.7ミリグラム)から検出した。府によると、米国食品医薬品局の基準に照らすと毎日29個食べても健康に影響はないという。

 メラミンには、シアヌル酸という化学物質が混ざる場合があり、二つの物質を同時に摂取すると腎臓結石などができやすくなるという。同社や高槻市保健所などは今回、メラミンしか検査しておらず、「調査項目に加えることを検討したい」と話している。

 同社は26日正午現在、回収対象5商品5579袋のうち1613袋を回収した。また業務用のクリームパンダは新たに6830個を回収し、回収数は6万9341個になった。同社はこの6商品の製造を今後、行わないことを決めた。

 同社の杉山雅昭・取締役中央研究所長は「健康に被害が出る値ではないが、申し訳ない気持ちでいっぱい。今後も回収を続けたい」と話した。同社は「お客様相談室」(フリーダイヤル0120・338845)で問い合わせを受け付けている。

■シアヌル酸分析も必要

■国立医薬品食品衛生研究所の菅野純・毒性部長の話 今回検出された濃度では、子どもが商品を1、2個食べても大丈夫な量と言える。ただ毎日のように食べたり、腎臓が悪い場合、腎臓結石などの障害を起こす可能性は否定できない。メラミン作成時に同時にできるシアヌル酸が含まれると、メラミン単独よりもさらに毒性が強く現れることから、食品に含まれるシアヌル酸の分析も同時に必要だ。