米有力紙ニューヨーク・タイムズは今月6日付紙面から、地域ニュースやスポーツ、ビジネスなど現在数種類ある分冊を統合することを決めた。米景気への懸念が強まるなか、広告収入の減少で経営環境が悪化しているためで、統合による印刷コスト削減などが狙い。

 同紙が先月発表した計画によると、改革の対象はニューヨーク市周辺で発行される紙面。地域ニュースの分冊は国際ニュースや国内ニュースを扱う、題字の掲げられた「A欄」に組み入れられ、スポーツの分冊は火曜日から金曜日まではビジネスの分冊に統合されるが、土曜から月曜日まではこれまで通り独立した欄として発行される。

 同紙はニュースの量はこれまでと変わらないことを強調するとともに、分冊統合で印刷部門で働く従業員の残業代が大幅にカットされるため、「より効率的な新聞発行」が可能になるとしている。

 インターネットの普及による販売部数の減少で米新聞各社は経営難に直面、紙面サイズの縮小や従業員削減で経費節減をはかっている。保守的な論調で知られる地元日刊紙ニューヨーク・サン紙は金融危機のあおりを受け、先月30日で廃刊した。