原爆症訴訟で国が控訴=新基準再見直しも

原爆症認定訴訟で、国は3日午前、先月22日の札幌地裁判決を不服とし控訴した。ただ、4月から開始した新基準で積極的に認定する疾病の対象外となっている肝機能障害と甲状腺機能低下症について、国側の敗訴が相次いでいるため、取り扱いを今月の被爆者医療分科会で議論することになった。


 舛添要一厚生労働相が、閣議後の記者会見で明らかにした。

 控訴理由について舛添厚労相は、(1)放射線と関連するとの知見が確立していない高血圧症が認定された(2)一部疾病について他地裁と判断が分かれている−などと指摘。

「判決を精査した結果、高裁の判決を仰ぐことが適当であると判断した」と述べた。
 札幌地裁判決は、原告7人のうち、新基準で未認定の4人を原爆症と認めた。