仙台市宮城野区小鶴内沼の梅田川で2日、約15匹のサケがさかのぼっているのが見つかった。関係者の話では、梅田川でサケの群れの遡上(そじょう)が確認されたのは数十年ぶりだという。

 15匹はシロザケで体長約60―70センチ。平渡橋のたもとをさかのぼっているのを、仙台市の市民団体「河川整備研究会」の笹正樹代表(72)が発見した。

 サケは尾びれで深さ約50センチの川底の砂をかき出し、産卵の準備をしていた。胴体のうろこが所々はがれてまだら模様になり、遡上の厳しさを物語っていた。笹代表は「10月から数匹確認していたが、こんなに多いのは初めて。子どものころに見て以来だ」と話す。

 梅田川の清掃に取り組む梅田川浄化会の池田友信会長(66)は「群れの遡上は戦後初めてなのではないか。産卵すれば来年はより多くのサケが上ってくるだろう」と期待を寄せている。