福岡・赤池町保険金殺人事件 小田義勝

事件当時年齢:41歳

犯行日時:1990年12月25日、26日

罪状:殺人他

事件名:福岡・赤池町保険金殺人事件

事件概要:1990年12月28日、無職の男性Sさん(当時27)と宝石店従業員の女性Kさん(当時20)の遺体が、福岡県田川郡赤池町の総合運動公園駐車場に全焼し放置された乗用車内で見つかった。二人とも刺し傷があったが、Kさんに抵抗した跡があったこと、Sさんの筆跡で「誘ったがバカにされた。死ぬ」という遺書めいたものがダッシュボードにあった。そのため、当初は無理心中を図った事件として処理された。が間もなく、女性に災害死亡時1億円の保険金がかけられていたことが判明。心中を装った保険金殺人と分かった。
 Kさんが働く北九州市の宝石店女性経営者M容疑者(20)と古美術店主小田義勝被告(42)が共謀。Kさんと、テレホンクラブでM容疑者が知り合ったSさんとの無理心中を装い、保険金を受け取ることを計画。90年12月25日から26日にかけて、2人を果物ナイフで刺すなどして殺害、遺体を置いた男性の車にガソリンをかけ放火したものだった。この事件で保険金は支払われていない。
 M容疑者が経営していた宝石店であるが、実際は商取引が皆無と言ってよいペーパーカンパニーであった。M容疑者、Kさんは小田被告の古美術店従業員募集で応募してきた同僚であった。M容疑者はすぐに小田被告と情交を結び、今回の偽装計画を立てたものであった。
 小田被告は犯行の9ヶ月前、自宅に火災保険をかけ、放火したとされる(立件されていない)。このとき、保険金数100万円を受け取った。その後、美術店を経営し、雇い入れた女子従業員3人に保険金をかけ、社員旅行中に殺害して、保険金をだまし取ることを計画。だが、一緒に犯行を計画していた友人が怖くなって逃げたため、犯行を断念した。
 また小田被告は事件直後の1990年12月29日、東京都内で姉に「二人殺してしまった」と告白したとされる。
 1991年1月31日、地元新聞が「保険金殺人として捜査開始」の記事を出し、M被告は姿を消した。福岡県警は無理心中を装った保険金目当ての殺人事件と断定し、1991年10月11日、小田被告とM被告を殺人容疑で指名手配したが、小田被告もすでに逃走していた。
 小田被告は逃走中の1993年11月5日、埼玉県浦和市(現さいたま市)で強盗事件を引き起こし、現行犯で逮捕された。福岡県警は1994年2月19日、殺人容疑で小田被告を逮捕した。しかし小田被告は黙秘を続けたため立証できず、3月13日、福岡地検は小田被告を証拠不十分で処分保留にした。身柄を浦和に戻された小田被告は3月30日、強盗致傷事件で懲役3年8月の実刑判決を浦和地裁で受け、確定した。
 福岡県警は小田被告が1996年1月下旬、有罪が確定し収監中の甲府刑務所で別の受刑者に「二人を殺した。今度は無期か死刑やろ」打ち明けたことや、小田被告が犯行を認め、逃走資金を無心する手紙を父親に送り付けていたこと、「心中に見せかけ、二人をやった」と打ち明けられたとする元義母らの証言をつかんだ。
 1996年2月20日、福岡県警は小田被告の親族らの「犯行状況を告白された」という検察官調書などを「新証拠」として、服役中の小田被告を再逮捕した。しかし福岡地裁は「不当な逮捕の蒸し返しにならないよう考慮が必要」として再拘置を認めず、拘置請求を却下。福岡地検の準抗告も24日棄却されたため、福岡地検は十分な取り調べができないまま28日に小田被告を起訴した。ただし詳細な殺害方法、殺害場所、M容疑者との役割分担など、多くの部分が不明なままだった。

拘置先:福岡拘置所

死刑執行:2007年4月27日 59歳没