ETC助成金制度を見逃すな! 3月12日開始で最大5割引

地方部の高速料金が休日は上限1000円という大幅割引が、いよいよ2009年3月20日から順次開始される(関連記事)。20日から割引対象になるのは、本州四国連絡高速道路と東京湾アクアラインの2路線。翌週の28日からは全国の都市・地方部区間に拡充される予定だ。首都高速は割引適用日が日・祝日だけのため、29日から開始になる。ただし一部区間においては、料金徴収システムの変更作業が間に合わないため、4月下旬ごろまで上限2000円になる場合もある。

ETC割引対象

今回の割引制度で注意したいのが、対象は普通乗用車と軽自動車(自動二輪車含む)で、しかも支払いにETCを使用した場合に限られること。このため、今週末くらいからETC車載器の駆け込み需要が増えるだろうから、自分のクルマに装着を考えているなら早めに手続きをしたほうがいい。

そんな新規ETC導入予定者に、追い風となる仕組みが始まった。財団法人高速道路交流推進財団が、3月12日から3月31日までの期間限定で受け付ける「ETC車載器新規導入助成金」(以下、ETC助成金)だ。このETC助成金は、これからETCを取り付ける人に導入費用の一部を肩代わりする制度だ。ETC購入金額からクルマが5250円、バイクでは1万5250円を割り引く。

クルマ向けのETC車載器の取り付け費用は、通常なら本体と工賃込みで2万円程度。このETC助成金を利用すれば、支払総額は1万5000円台に抑えられる。バイクの場合は本体(アンテナ一体型「JRM-12」の場合)と工賃込みで約2万7000円が、1万5250円引きの1万2000円程度になる。まだ高いと思うかもしれないが、割引率を考えると自動車で2〜3割、バイクでは4〜5割を超える。近いうちにETCを付けようと思っているなら、この機会を逃す手はない。

ETC助成金の受け取り方

どうしたらETC助成金を受けられるのか。知らないと損をするETC助成金の仕組みを解説していこう。

ETC助成金をもらうための条件は?

ETC助成金を得るための条件として、高速道路交流推進財団のWebサイトに提示されているのは以下の3つだ。

「1. ETC車載器新規導入助成取扱店で新規ETC車載器を購入又はリース契約し、セットアップされた方」「2. ETC車載器新規導入に係る費用を、2年以上の契約期間かつ2回以上の、分割又はリース契約された方」「3. 申込み時にアンケートにお答えいただける方」

 では、これらの条件はどうすればクリアできるのか。文面だけでは分かりづらい点があるので、要注意ポイントを中心に解説する。

 まず1つ目、「ETC車載器新規導入助成取扱店で新規ETC車載器を購入又はリース契約し、セットアップされた方」という中で、引っかかるのは「ETC車載器新規導入助成取扱店」という部分だろう。今回のETC助成金は、実はどこのショップでも適用されるわけではない。助成金を得るには、高速道路交流推進財団から「ETC助成金 取扱店」として認可されていることが絶対条件で、未認可のショップで購入してもETC助成金は支給されない。

 ETC助成金取扱店のリストは、高速道路交流推進財団の公式サイトで確認できる。高速道路交流推進財団によると「ETC助成金 取扱店の受付もまだ続いているため、ETC助成金を得られる店舗はまだ増える見込み」だという。

 このため、現時点でWebサイトにETC助成金取扱店として記載されていないカー用品店、カーディーラーでも、今後は助成金が受けられる可能性がある。自分のクルマのメンテナンスを任せているディーラーが取扱店リストに載っていなくても、ETC助成金の対象にならないか、一度確かめた方がいいだろう。

 また上記の条件リストには挙げられていないが、ETCを購入する「日時」にも注意しよう。ETC助成金は受付開始日の2009年3月12日から、受付終了日の3月31日までの間にETCを購入・導入した人が対象になる。希望者が殺到して期間内に購入できなかった場合は、助成対象からもれる可能性もある。ETC助成金を使って購入したいなら、早めに行動した方がいい。

四輪車ETC車載器新規導入助成 取扱店一覧二輪車ETC車載器新規導入助成 取扱店一覧助成金をもらうには2年以上、2回以上の代金支払いが条件

 2つ目の条件は「ETC車載器新規導入に係る費用を、2年以上の契約期間かつ2回以上の、分割又はリース契約された方」。少し分かりづらいが、この項目では代金の「支払い方法」について規定している。

 簡単に言い換えると、ETC導入時の費用を2年以上かけて支払うことを義務付けているのだ。助成対象には「当該費用に残額がない場合、ETC車載器を2年以上使用して頂ける方」ともあるが、カー用品店などの店頭では、2年以上にわたる支払契約が購入条件となっている。ちなみにこの規定は、高速道路交流推進財団のQ&Aページによると、「初期費用の一括払いを原因に購入を見合わせている方への負担を軽減して、利用していただくためです」という理由のためだ。

 では、どのような購入方法になるのか。助成金を得られる支払い方を2つ紹介しよう。まず代金をクレジットカードで支払うケース。これは「24回払い」以上に設定するだけでよい。分割手数料はかかってしまうが、2番目の条件はクリアできる。

四輪車ETC車載器新規導入助成について二輪車ETC車載器新規導入助成についてクレジットカードを使わずに、現金で分割払いするプランもある

 もう一つの買い方は、現金による「分割払い」(「割賦販売」とも呼ぶ)だ。一見、クレジットカードと同じように思えるが、ここにひと工夫がある。この支払い方法の特徴は、まずETC購入時に支払総額から100円だけ除いた金額を現金(クレジットカードも可)で決済する。残った100円は、2年後の2011年に届けられる請求書を使ってコンビニ支払いにするという点だ。

 2段構えの支払い方法を採用することで、「2年以上の契約期間かつ2回以上の、分割……」という条件を満たしている。現時点でこの支払い方法を採用するのは、「オートバックス」(一部店舗を除く)と「ドライバースタンド」などがある。

 いささか変則的な買い方だが、現金による分割販売は「分割手数料が一切かからないのがメリット。現金で支払いたいという要望と、助成金を得るための方法として採用した」(オートバックスセブン広報)とのこと。ETC購入代金の支払い方法は、カー用品店ごとにそれぞれ異なるため、購入前に支払い方法についても確認した方がいいだろう。

 最後の条件、「申込み時にアンケートにお答えいただける方」にある「アンケート」は、とても簡素なものだ。ETC助成金の申請書類に設けられた高速道路の利用頻度など、簡単な5つの質問に答えるだけだ。すべての条件をクリアすれば、無事にETC助成金をゲットできるはずだ。

主要カー用品店のETC助成金対応をチェック!

主要なカー用品店やバイク用品店の対応をまとめておこう。前述したようにオートバックスでは、変則2回払いの「ETCらくらく支払いプラン」(一部店舗を除く)での支払方法を採用している。クレジットカードでの24回払いも可能だが、「クレジットカードの分割手数料が2年間で2000円程度(金利13%の場合)かかるため、ETCらくらく支払いプランでの購入を推奨している」(スーパーオートバックス八王子 オーディコンコンサルタント 木村正法氏)という。

 ネットショップ「オートバックス.com」で購入した場合は、店頭でセットアップまたは取り付け作業をする際に、担当係員に助成金の適用を申請すれば対象となる。また、ETCを自分で取り付けたい人向けに、本体とセットアップ代のみでも、助成対象としているのが特徴だ。

 同じくカー用品店の「イエローハット」も、全店舗がETC助成金指定店に認可済み。支払方法は、09年3月11日に発表した変則2回払いの「イエローハットのETC車載器“ラクとく”購入プラン」(一部店舗を除く)と、クレジットカードの24回払いの2通り。また、ETC本体のセット料金を525円割り引くキャンペーンも、3月31日まで実施する。

オートバイ用品点でもバイク用ETC導入キャンペーンを実施

オートバイ用品店でも、バイク向けETC導入キャンペーンを行っている。例えば東京都、神奈川を中心にバイク用品店を展開する「ナップス」では、3月12日から3980円キャンペーンを予定する。

 このキャンペーンは、アンテナ一体型「JRM-12」の本体価格を1万9950円から3980円に、アンテナ分割タイプの「JRM-11」を2万9820円から1万3980円に割り引くというもの(助成金適用後の金額)。ETC購入時に、指定クレジットカードカードの申し込みが条件になる。

 バイクの場合、安全上の問題から取り付けは自分では行えないため、ショップに依頼する必要がある。JRM-12の場合、本体にセットアップ工賃や取り付け工賃などを加えた金額は1万1210円で、このほかに取り付けステー(1995円〜)が必要だ。支払い方法は、新規申し込みをしたクレジットカードでの24回払いのみになる。

 また、「2りんかん」などのバイク用品専門店を展開する「ドライバーズスタンド」では、オートバックス同様の2回分分割プラン「ETC簡単支払プラン」を用意。支払総額から100円分の残高を引いた金額を、現金またはクレジットカードで支払う。残りの100円は、2011年9月に別途請求される予定だ。

 ちなみに、助成金の支給条件になっている「2年以上の契約期間」にも要注意。この2年以内に購入したETCを手放すと、助成金の返還を求められることがある。クルマを乗り換えるときに、ETC車載器ごと売ってしまうのも基本的にはNGだ。所有者が変わったことが発覚すると、助成金の返還対象になるので注意しよう。

高速道路会社のETC導入割引キャンペーンも狙い目!

3月12日に始まったETC助成金にばかり注目が集まっているが、実はこの他にもETCを安く設置する方法がある。とくに注目したいのは、高速道路公団、NEXCO各社が発行(公認)するクレジットカード(ETCカード)の申込者を対象とした、ETC本体の割引販売だ。

 NEXCO中日本では「プレミアム ドライバーズカード」の新規加入者に対して、ETC本体とセットアップ料金込み、4800円で販売している。ETC本体種類は選べないが、取り付け工賃込み(5250円〜)を含めて、1万円程度でETCを導入できる。

 NEXCO西日本は、さらに割安だ。「OMCカード クアドラパス」への新規加入を条件に、ETC車載器本体(古野電気「FNK−M03」)とセットアップ料金を無料にするキャンペーンを実施している(追加料金で別のETC機種も選択可)。つまり取り付け工賃だけで、ETCを導入できるというわけだ。

 キャンペーンへの参加方法はWebサイトから申し込むか、毎週土・日に西名阪自動車道の香芝SA(上り)と九州自動車道の古賀SA(上り)の2カ所に設けられた会場で、直接受け付けの2通り。キャンペーン会場となるSAでは、クレジットカードの申し込みから、ETCの即時取り付けまで対応している(混雑時は取り付けが後日になる場合がある)。3月末にかけて混雑が予想されるが、週末、出かけたついでにETCを取り付けたいという方には耳寄りな話だろう。

 首都高速道路も、「首都高ETC車載器0円キャンペーンPart2」を3月12日〜31日まで実施する。こちらは「首都高カード」への入会が条件で、車載器本体とセットアップ料金の合計はアンテナ一体型が0円、アンテナ分離型が3990円だ。キャンペーン会場はさいたま新副都心会場、用賀会場、大黒PAの3カ所。こちらも車載器を持ち帰って、提携取付店で取り付けてもらう手順だ。

 高速料金の値下げは目前、そろそろ愛車にETCを付けよう! と思っているなら今が買いどきだ。いろいろと選べるお得な方法を吟味して、ETCを導入してみてはいかがだろうか。

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