CoCo壱番屋 シカ肉カレーを2店舗で提供 滋賀県内で駆除、地産地消

20100518-00000023-maiall-soci-view-000カレーハウスCoCo壱番屋(愛知県一宮市)の県内2店舗が17日、日野町内で駆除されたシカの肉を使ったメニューの提供を始めた。シカ肉は大半が廃棄処分されており、関係者らは有効活用の第一歩として期待している。

 東近江五個荘店(東近江市)と近江八幡サウスモール店(近江八幡市)。いずれも日野町猟友会が町内で捕獲、解体した肉を使い、1食880円。県によると、シカは稲穂や野菜の新芽などを食い荒らし、08年度は県内で約4000万円の被害が出た。生息数は07年度の2万6300頭から年々増加し、12年度には4万4000頭に増える見込み。県は今年度、昨年度の倍の8500頭を駆除する方針。

 一方、県内でCoCo壱番屋を10店経営する岡島洋介さん(46)は、鉄分を多く含み、高たんぱくで低脂肪のシカ肉に着目。今年1月、同町に新メニューを提供したいと持ちかけた。シカ肉はにおいや硬さが難点とされてきたが、圧力鍋でニンニクなどと煮込むことで克服した。売れ行き次第で扱う店舗を拡大するという。

 岡島さんは「利益はほとんどないが、地域貢献のつもりです」と話している。店を訪れた藤沢直広町長(54)は「地元農家とカレー店、食べる人のみんなが喜ぶ三方良しの取り組み。これを機に消費を拡大させたい」と期待した。