においの一部、鼻粘膜で変換=嗅覚の個人差に影響か―東大

鼻腔(びこう)に入ったにおいのもとの物質は、一部が鼻腔の粘液に含まれる酵素によって別の物質に変換されることが、東京大大学院農学生命科学研究科の東原和成教授らが4日までに行ったマウスの実験で分かった。脳で感じるにおいは、におい物質そのものと、この酵素で変換された物質の混合物の場合があると考えられる。
 東原教授によると、この粘液は本来、におい物質を嗅覚の神経細胞にあるセンサー(受容体)に運んだり、有害なにおい物質を分解したりする役割がある。
 酵素の量は年齢や性別のほか、体調によって異なる可能性があり、人間の場合でも、においの感じ方の違いの一因になっているかもしれないという。
 実験はアーモンドや香辛料のクローブのにおいを使って行った。研究成果は米科学誌ジャーナル・オブ・ニューロサイエンスに掲載された。