続く余震、不安抱える市民=耐震基準見直しへ―NZ地震1カ月

20110321-00000013-jijp-000-0-viewニュージーランド南島クライストチャーチを襲った地震から22日で1カ月。電気や水道などのライフラインはほぼ復旧し、市民の生活は通常に戻りつつある。ただ、余震もなお続いており、市民らは不安やストレスを抱えている。
 液状化現象のためでこぼこになった道路は一部で修復作業が始まっているが、車線規制などで激しい交通渋滞が発生。市民らはいら立ちを募らせている。市の中心のビジネス街は、危険だとして引き続き立ち入り規制中。再開のめどは立っておらず、雇用不安が広がっている。住宅の再建がいつ本格化するかも不透明だ。
 今回の地震は、未知の断層で発生した直下型だっただけに、耐震基準の見直しは避けられない。語学学校が入居していたビルの倒壊では、日本人学生を含む多くの死者を出しており、国の最高調査機関、王立委員会は半年後に中間報告で、新たな耐震性基準などについての勧告を出す予定。地質調査により住めなくなる場所が出てくる可能性もある。
 クライストチャーチは自然豊かな南島観光の玄関口。現地で日本人観光客相手にガイド業を営む平本雅郁(47)さんは「昨年9月の地震で落ち込んだあと、年明けから調子が良くなってきたところだった」と肩を落とす。「報道への過剰反応が心配。空港や郊外のホテルは通常通りになっているが、この1年は厳しいだろう」と表情は暗い。
 パーカー市長は市民ら数万人が参加した18日の犠牲者追悼式で、失われた命を無駄にしないために「世界で最も美しい街」にしようと呼び掛けた。