楽天故障者続出…星野“地団駄”「本当はアイツが欲しかった」

20110520-00000015-ykf-000-1-view隣の芝生は青いということか。パ・リーグ5位に転落した楽天に故障者続出の追い打ち。星野仙一監督(64)は他球団の選手が気になるようで…。19日、本拠地Kスタ宮城で練習を眺めながら持論を展開した。

 「無事これ名馬。昔の人は本当にうまいことを言ったものだな。プロ野球にも、走攻守のセンスは抜群なのに、肝心の体にセンスがないという選手がいる。故障でチャンスをつかみ切れない。ウチでいえば牧田(明久外野手=28)。おれの阪神監督時代でいえば浜中(治外野手=現ヤクルト)…」

 ところが、その練習中に、“左殺し”として相手投手が左腕の時にスタメンに名を連ねる中島俊哉外野手(30)が左脇腹を負傷。肉離れと診断されて出場選手登録を抹消されたのだからシャレにならない。指揮官は「故障者ばっかりやないか」と苦虫を噛みつぶしてグラウンドをあとにした。

 ただでさえ貧打に苦しんでいるところに、頼みの先発投手陣も、ラズナーが右内転筋を負傷し登録抹消され、エース岩隈までが右肩腱板の違和感で抹消。皮肉にも、「体にセンスがない」選手のオンパレードだ。

 深刻化する戦力不足。星野監督は17日の巨人戦の試合前、同郷(岡山県出身)で日本ハムから巨人に金銭トレードされた高橋信二捕手からあいさつを受けた際、「本当はあいつが欲しかったんや」と漏らした。確かに主軸を打てる大砲は楽天の補強ポイントだが、高橋を獲得できなかったのは「枠の問題」(星野監督)。

 支配下選手登録の枠にはまだ余地があるが、すでに例年に比べ破格の補強費を投入し、4月に新守護神サンチェスを年俸4000万円+出来高で獲得するなど人件費の枠がいっぱいのようだ。

 一方で、星野監督は「阪神の城島は、ひざの手術で開幕に間に合わないといわれていたのに、試合に出続けている。体が強いよ。藤井(彰人捕手=昨年まで楽天に在籍し、阪神へFA移籍)がもっと出られると思ったら大間違いや」と指摘し、「藤井がウチにおったら、バンバン試合に出られただろう。(正捕手の嶋と)併用しとるよ」と、選手会長の重責を背負い疲労の色の濃い嶋を横目に、藤井への未練をのぞかせた。

 新戦力の獲得資金が乏しいとなれば、残る手は交換トレードだが、折り合いのつく交換要員がいるのかどうか…。