自民、問責提出を検討=民主に「菅降ろし」

菅直人首相が早期退陣を否定したことへの反発が3日、与野党に広がった。自民党は首相に対する問責決議案を参院に提出することを検討。一方、首相の早期退陣を想定して内閣不信任決議案に反対票を投じた民主党議員の間では「菅降ろし」に向けた動きが出てきた。
 自民党の山本一太参院政審会長は参院予算委員会で、東日本大震災などの対応にめどが付いた段階での退陣に言及した首相が、退陣時期を明確にしないことを厳しく批判。「野党が過半数を握る参院であなたを倒すしかない。6月末ぐらいに問責を突き付けるチャンスが必ずやってくる」と述べた。また、「政治的な詐欺だ。ひきょうで姑息(こそく)なペテンだ」と首相を非難した。
 問責決議に法的拘束力はなく、可決されても首相退陣には直結しない。しかし、2011年度予算執行の裏付けとなる特例公債法案など重要法案の成立は事実上不可能となり、首相の政権運営は厳しさを増す。
 山本氏の追及に対し、首相は「大震災への取り組みに一定のめどが付いた段階で、若い世代に責任を引き継いでほしい」と、従来の発言を繰り返した。ただ、松本龍防災担当相は予算委で、首相発言について「退陣表明と受け止めた」と明言した。
 一方、首相の対応に態度を硬化させている民主党の鳩山由紀夫前首相と支持グループの幹部は3日、首相の進退を協議する両院議員総会の開催を求めるための署名集めを続けることを確認。幹部の1人は「衆院だけで150は集まった」と語った。