警戒区域の空き巣、東電が賠償を…県など要望

東京電力福島第一原子力発電所事故のため警戒区域となった地域で空き巣被害が多発していることから、福島県と地元自治体が「原発事故がなければ被害はなかった」として、空き巣被害を同事故の損害賠償対象に含めるよう国に求めたことが分かった。

 国は「一義的に賠償すべきなのは犯人」として難色を示している。

 警戒区域は、政府の要請を受けた県が4月22日、原発20キロ圏内の双葉町、大熊町、富岡町などに設定。住民らが一時帰宅した際、空き巣などの被害が確認された。県警によると、被害申告は376件(28日現在)、現金被害は総額約1500万円以上で、窓ガラスを割って侵入する手口が目立つ。

 今月6日に一時帰宅した富岡町の男性会社員(37)も被害に遭った一人。自宅1階の窓ガラスが割られ、指輪やクレジットカードなどを入れた収納ダンスは、18個の引き出しすべてが開けられていた。男性は「空き巣に入られたのは原発事故のせい。東電に賠償してもらいたい」と憤る。