サムスン電子、米アップルと合意−豪州でのタブレット端末販売中止で

8月2日(ブルームバーグ):米アップルからオーストラリアで提訴された韓国サムスン電子は、特許をめぐる裁判が決着するまでタブレット型端末の最新機種を同国で販売しないことで合意した。

  アップル側のスティーブン・バーレイ弁護士は1日、シドニーの連邦裁判所に対し、サムスンのタブレット型端末「ギャラクシー10.1」が見た目や操作感覚、「iPad(アイパッド)」のタッチスクリーン技術などアップルの特許を10件侵害していると主張。豪州でのギャラクシー10.1の販売差し止めに加え、その他の国・地域でも同端末の販売をサムスンが停止するように求めていた。これらの国・地域の詳細は特定していない。

  審理の合間に双方の弁護士が至った合意事項によると、サムスン電子は裁判所の承認ないし裁判の決着が得られるまで豪州でギャラクシー10.1の広告をとりやめるほか、同機種を販売しないこととなった。この特許裁判でアップルが敗訴した場合、同社がサムスンに損害賠償金を支払うことで合意したという。賠償の詳細は明らかになっていない。

  この問題の発端は、4月にアップルがサムスンのスマートフォン(多機能携帯電話)「ギャラクシー」が「iPhone(アイフォーン)」と「iPad(アイパッド)」のデザインおよび技術を模倣しているとして米連邦地裁に訴えたことにさかのぼる。サムスンはこれを受け、アップルを韓国と日本、ドイツで逆提訴した。