泊原発の再開容認を表明、北海道知事 “例外”で全停止恐れ消えず

20110817-00000041-mai-000-thumb北海道の高橋はるみ知事は17日午後、記者会見し、北海道電力の泊原発3号機(泊村)の営業運転再開を認める考えを表明した。これを受け、海江田万里経済産業相は、北電に検査終了証を交付する。東京電力福島第1原発事故後、原発が営業運転に入るのは初めて。

 泊原発3号機は、東日本大震災直前の3月7日に再起動し、定期検査の最終段階である調整運転に入り、フル出力で稼働し、電力の供給も行ってきた。通常の調整運転は1カ月程度だが、原発事故の影響で最終検査の申請が行われず、調整運転が5カ月に及ぶ異例の事態となっていた。

 北電は8月9日に最終検査を申請し、10日に検査が終了。海江田経産相は当初、11日に営業運転への移行を認める方針だった。しかし、高橋知事が、地元の意向を確認しないまま、経済産業省原子力安全・保安院が北電に最終検査の申請を促したとして反発。海江田経産相は、知事が同意するまで終了証交付を見合わせていた。

 知事は16日の道議会特別委員会では、保安院に加え、原子力安全委員会が最終検査に関与したことについて、「二重チェックは評価できる」と述べ、容認の意向を表明していた。

 ただ、泊原発は「実質的に営業運転と変わらない状況にあり、停止している原発の再稼働とは別問題」(立地自治体関係者)と“例外”扱いする声は多く、定期検査終了後の原発の再稼働が進むかは不透明だ。泊原発3号機が再び定期検査で停止する来年5月にも、全国54基の原発がすべて停止する懸念は消えていない。