乗用車の82歳、近鉄の線路1キロ走り続ける

13日午前0時15分頃、大阪府東大阪市山手町の近鉄奈良線額田駅構内で、乗用車が下り線路上を走行するのを、停車中の上り回送列車の運転士が発見し、駅員を通じて府警枚岡署に通報した。

 乗用車はそのまま約1キロ走り続け、次の石切駅手前10メートル付近で、同駅員が線路上から合図をして車を制止した。けが人はなかったが、このトラブルで、普通列車上下2本が各10分前後遅れ、計約500人に影響した。同署は、運転していた同府高槻市の無職男性(82)から過失往来危険容疑で事情を聞いている。

 発表によると、男性は額田駅付近の踏切内を走行中に脱輪したため、慌てて車を発進させた際、線路内に入り込んだという。男性は調べに対し、「脱輪してバックできず、警報が鳴ったので車を動かさないといけないと思って線路上を走った」と話しているという。

 車とすれ違った回送列車は、額田駅南の踏切2か所で異常を知らせるセンサーが作動したため、駅構内で停車していた。

 近鉄秘書広報部は「各踏切には非常ボタンがあるので、踏切内で立ち往生した場合は、落ち着いて押してほしい」としている。