長谷川「納得いかないなら」勝っても引退…12・17再起戦

20111026-00000251-sph-000-4-thumb◆報知新聞社後援 プロボクシング リアルスピリッツ長谷川穂積再起戦 ▽フェザー級10回戦 WBC世界同級2位・長谷川穂積─WBCスペイン語圏同級王者・フェリペ・フェリックス(12月17日、兵庫・神戸市立中央体育館) 2階級制覇の前WBC世界フェザー級王者で現2位の長谷川穂積が、12月17日に地元・神戸で再起戦を行うことを26日、神戸市内のジムで発表した。対戦相手は18戦無敗の新鋭、フェリペ・フェリックス。4月の初防衛で4回TKO負けして以来、8か月ぶりの試合となる。「最大の敵は自分。気持ちの面で楽しめなければ次はない」と勝敗にかかわらず、内容に納得しなければラストマッチになることを示唆した。

 衝撃の王座陥落から253日。12月17日。長谷川は、ファンが待つ場所に帰ってくる。「相手のことは何も知らない。楽しんでやりたい。それが最大のテーマだと考えている」。対戦相手のフェリックスは、世界ランクこそ入っていないが18戦無敗の未知の強豪。しかし今回に限っては対戦相手は関係ない。

 「最大の敵は自分。勝ち負けにこだわらず。自分のボクシングをすること。楽しめる気持ちをつくっていきたい」と明かした。4月の世界戦で敗れ、一度は引退も考えた。迷った末、再起。納得のいくボクシングがしたいという一心だった。「自分の中では査定マッチ。気持ちの面で楽しめるならこの先もやるだろうし、勝っても気持ち的に納得いかないなら、次があるというわけじゃない」。勝ってもグラブを壁にかける―。再起戦へは不退転の決意で臨む。

 それでも、長谷川の表情は緊張感からはほど遠い。ノンタイトル戦は2004年10月の鳥海純戦以来、実に7年ぶり。「今回はすごい楽。タイトルマッチをやり続けていたことから解放された」。今回に限っては勝つことよりも原点に戻ること。「デビューした頃は、『技術であいつは違う』と思われたかった。今も勝ちたいという思い以上に技術で相手を上回りたい」。リングで自らが思い描くボクシングを自由に表現することが一番の狙いだ。

 今週から本格的な練習を再開したが「鈍ってますね。攻撃の仕方を忘れている」と苦笑い。勝てば来春の世界挑戦も見えてくるが、今の長谷川に失うものはない。かつての絶対王者が自然体で復活する。

 ◆フェリペ・フェリックス 1981年11月1日、メキシコ・グアダラハラ市生まれ。29歳。2004年2月にプロデビュー。08年7月にWBCスペイン語圏フェザー級王座獲得。1度防衛後返上し、10年3月に同タイトルを再獲得。愛称はプリンシペ(王子)。170センチの右ボクサー。