資源輸入 国を特定、集中交渉する新戦略…政府指針案

政府が今後5年間の資源、エネルギーの安定調達の指針として4月に初めてまとめる「資源獲得戦略」の原案が明らかになった。産業ごとに必要な資源の種類や量を精査した上で、集中的に働きかける国を特定。首脳や閣僚の交流と、民間の技術協力との連動で、権益確保を図る。自動車など資源を使う側の民間企業が、積極的に権益確保に関与する必要性も明記した。ただ、戦略実現には世界の資源争奪戦を勝ち抜く交渉力が必要で、日本外交の実力が問われることになる。

 原案は、これまでの日本の資源戦略について、ターゲットとなる資源の種類や量、保有国を明確にしていなかった▽中長期的な外交戦略が欠けていた▽政策実現のための具体策が十分でない−−と分析。解決策として、資源国の政治情勢を正確に把握する「情報収集」▽高速鉄道や水道などのインフラ輸出を柱にした「資源国への協力」▽資源を使う民間企業も権益確保に参加する「開発主体」−−の強化、拡大などを挙げた。

 とりわけ石油をめぐっては「中長期的に需給が逼迫(ひっぱく)し、価格上昇する」として、新たな供給源開拓の必要性を強調。具体的ターゲットとして、政治・軍事情勢の影響で輸入量が限られていたイラク、リビア▽油田開発の進んでいない東シベリアや東アフリカ−−を明示した。オイルシェール(油分を含む岩石)などの開発も求めた。

 液化天然ガス(LNG)については「メジャー(国際石油資本)が価格支配力を有する寡占構造の変革が必要」と指摘。日本主導の権益確保の積み上げ▽北米からの輸入ルートの構築▽韓国との連携−−を図るべきだとした。また、中国によるレアアース(希土類)輸出規制を踏まえ、レアメタルや鉄、銅、亜鉛などの「供給源多様化」を提言。輸入が途絶えた時に備え、代替材料の使用やリサイクルの重要性も指摘した。