大王製紙 井川前会長、特別背任認める…東京地裁初公判

20120301-00000050-mai-000-5-thumb連結子会社7社から計55億円余を無担保で借り入れたとして、会社法違反(特別背任)に問われた総合製紙大手・大王製紙の前会長、井川意高(もとたか)被告(47)は1日、東京地裁(登石郁朗裁判長)の初公判で「まちがいございません。関係者に心よりおわび申し上げます」と述べ、起訴内容を全面的に認めた。

「心よりおわび申し上げます」

起訴状によると、前会長はカジノの負債の支払いなどに充てるため、11年3〜9月、自身が代表取締役会長を兼務していた連結子会社7社から無担保で計55億3000万円を借り入れ、7社に損害を与えたとしている。

 大王製紙が設置した特別調査委員会が認定した7社からの借入総額は106億8000万円。このうち現金や株式で返済された51億5000万円分を差し引いた額が起訴内容となった。

 一方、7社の役員らについては大王製紙が2月、計23人の処分を発表。このうち出向役員は辞任し、大王製紙復帰後は一定期間、出勤停止とした。その他の役員らは降格や減給となった。

 東京地検特捜部の調べによると、井川前会長は09年ごろからファミリー企業や金融機関などからも借り入れを重ね、7社からの借り入れと合わせると計約165億円に上る。大半はカジノ賭博や賭博の負債の支払いに充てたとされる。