長崎ストーカー 被害女性の父「署員旅行の報告なく残念」

長崎県西海市でストーカー被害に遭っていた女性の親族が殺害された事件を巡り、千葉県警習志野署が被害届の受け付けを先送りしながら、署員らが直後に北海道へ慰安旅行に行っていた問題で、遺族の男性は23日、同県警幹部から「担当課員2人が署に残っており、旅行が事件に影響すると思わなかった」との釈明の電話を受けたことを明らかにした。男性は「理解できない」と憤っている。

 毎日新聞の取材に明らかにした。男性によると、長崎県警を通じて千葉県警に慰安旅行の問題について説明を求めていた。同県警幹部から電話があったのは22日で、釈明に対して男性は「そもそも『人手不足』として被害届が先送りされたのに、2人しか残さず旅行に行けるとは理解できない」と納得していない。

 また、殺害された山下美都子さん(当時56歳)の夫で女性の父誠さん(58)が23日、代理人弁護士を通じ文書で初めて心境を明らかにした。誠さんは「旅行に行ったことは何となく当時知っていたが、22日に報道されるまで千葉県警から旅行の事実について報告は受けていない」と説明。千葉、三重、長崎3県警が公表した検証報告に「旅行」が記載されていなかったことに「残念に思っている」。「起訴前の今になって報道されて騒がれ、大変迷惑している」とコメントした。

 弁護士によると、誠さんは事件前の12月6日ごろ、被害届を出すために訪ねた習志野署でマイクロバスに乗り込む署員らを目撃。「慰安旅行がある」と認識したという。一方、担当課員らの旅行は同月8日からで、誠さんが目撃した署員なのかは不明という。