元オウム平田被告隠匿 斎藤被告に懲役1年2月の実刑判決

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元オウム真理教幹部、平田信(まこと)被告(47)=逮捕監禁罪などで起訴=をかくまったとして犯人蔵匿罪などに問われた元信者、斎藤明美被告(49)の判決で、東京地裁は27日、懲役1年2月(求刑・懲役2年)を言い渡した。吉村典晃裁判長は「真摯(しんし)に反省し、既に教団とのかかわりや精神的帰依はなく更生(立ち直り)が期待できる」とする一方、「平田被告が長期間捕まらなかったのはひとえに斎藤被告の行為のためで、極めて悪質」と指摘し、実刑とした。

斎藤被告は初公判で起訴内容を認めて被害者らに謝罪し、弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。記者会見した主任弁護人の滝本太郎弁護士は「判決は重すぎて不当」とし、控訴の意向を示した。

 公判で斎藤被告は、かくまった理由を「平田被告が警察庁長官銃撃事件の実行犯と疑われ、誤った逮捕などを避けるため。愛する人を守りたかった」と説明。判決はこうした動機を認定しつつ、「心情は理解できなくないが、大きく酌むことはできない」とした。

 言い渡し後、吉村裁判長は「服役を挫折と受け止めず、新たな生活のスタートにしてほしい」と語りかけると、黒のスーツ姿の斎藤被告はゆっくりと一礼した。

 判決によると、斎藤被告は、目黒公証役場事務長拉致事件や宗教学者元自宅マンション爆発事件(共に95年)で平田被告が特別手配されていることを知りながら、97年5月〜昨年12月、「吉川祥子(よしかわしょうこ)」の偽名で借りた東大阪市のマンション2カ所でかくまった。

 検察側によると、斎藤被告は95年、教団幹部から1200万円の逃走資金を提供された平田被告に頼まれて共に逃亡。東北地方を転々とした後、96年に大阪府に移動。約14年間、整骨院などで働いて生計を支えた。