下関通り魔事件・上部死刑囚ら3人に刑執行

法務省は29日、山口県下関市の通り魔殺人事件で死刑が確定した上部康明死刑囚(48)ら3人の刑を同日午前、東京、広島、福岡の各拘置所で執行したと発表した。

 死刑執行は2010年7月28日に2人が執行されて以来1年8か月ぶりで、民主党政権下で2度目。小川法相が1月に就任してからは初めてで、国会会期中の執行は異例だ。この日の執行で死刑確定者は135人から132人となった。

 09年の政権交代後、死刑執行は急減し、昨年は19年ぶりに執行がゼロだった。小川法相は執行後の記者会見で、「刑罰権は国民にあり、その国民の声を反映する目的で導入された裁判員裁判でも死刑が支持されている。(執行に)反対はあっても職責を果たすべきだと考えた」と執行に踏み切った理由を述べた。

 死刑が執行されたのは、上部死刑囚のほか、横浜市内で一家3人を殺害した古沢友幸死刑囚(46)、宮崎県内で女性2人を殺害した松田康敏死刑囚(44)の3人。