長谷川、再起果たすも進退保留「もうちょっと考えたい」

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「ボクシング10回戦」(6日、東京国際フォーラム)

 昨年4月にWBC世界フェザー級王座から陥落して以来の再起戦に臨んだ長谷川穂積(31)=真正=は、フェリペ・カルロス・フェリックス(メキシコ)を7回TKOで下したが、進退については明言を避けた。

ようやく、長谷川が再起を果たした。対戦相手のフェリックスに7回2分28秒のTKO勝ち。「練習の5%ぐらいしか出なかった。想像していたボクシングからはほど遠かった」。ノンタイトル10回戦の完勝では、元世界2階級王者のプライドは満たされなかった。

 試合は長谷川ペースに終始した。相手のボディー狙い中心の攻撃で、左のパンチを効果的に繰り出した。4回からは両者で打ち合いの展開。7回はフェリックスからダウンを奪い、その後の猛攻にレフェリーが試合を止めた。「最後は連打で。お客さんが多少喜んでくれて良かったが、被弾しても行ってしまう。それが自分のダメなとこ」と振り返った。

 昨年4月8日にジョニー・ゴンサレス(メキシコ)に敗れ、WBC世界フェザー級王座を陥落してから1年。再びリングへ戻るまで、長い時間を要した。「KO負けして、そのトラウマもありました」。現役続行を表明したのは同8月。現役と引退のはざまで、今も気持ちは揺れている。

 迷い続ける長谷川を見守ってきた妻・泰子さんは、この試合を会場で観戦。「続けるのも辞めるのも、焦って決めると後悔すると思う。今までは人のため、今は自分のためにやっているみたい」と打ち明けた。所属ジムの山下会長は「今後のことは本人に任せている。おのずとしたくなったら」と静観する構えだ。

 進退について、長谷川は試合後も態度を保留した。「もうちょっと考えたい。(結論は)自然と出ると思う。勝ったから良かったが、目指しているボクシングと、今日できたボクシングとは違う」。ためらう元王者にとって、再起戦は階段の踊り場のようでしかなかった。