124億光年先の銀河に窒素 京大など確認

京都大の長尾透准教授や廿日出文洋研究員、国立天文台、英ケンブリッジ大などの研究グループは南米チリのアルマ望遠鏡(ALMA)の観測で124億光年離れた銀河で窒素を確認、12日に京大などのホームページで発表する。初期宇宙で激しい星形成活動があった証拠で、宇宙誕生から13億年で生命を構成する炭素と窒素が豊富に生成されていたという。
 宇宙は137億年前のビッグバン後すぐに水素とヘリウムなどが作られ、炭素や窒素などは恒星の核融合によって作られたと考えられている。
 ALMAはパラボラアンテナ(最終完成時66台)を組み合わせる干渉計方式の巨大電波望遠鏡で、日本などの国際共同プロジェクトが建設中。今回、18台を使い、星形成によるとみられる大量のちりに覆われた宇宙初期の銀河で窒素固有の短波長の電波をとらえた。
 この銀河はチリの欧州南天天文台の望遠鏡で炭素の存在が確認されており、元素組成は地球のある天の川銀河に近いとみられる。長尾准教授は「初期の宇宙で、生命誕生に必要な元素がそろっていた可能性がある。ALMAで酸素の観測にも挑戦したい」と話している。