斎藤被告、二審も実刑=元オウム犯人蔵匿―上告せず「罪償う」・東京高裁

目黒公証役場事務長の監禁致死事件で特別手配されていたオウム真理教元幹部平田信被告(47)=逮捕監禁罪などで起訴=を逃走中にかくまったとして、犯人蔵匿などの罪に問われた元信者斎藤明美被告(49)の控訴審判決が20日、東京高裁であった。若原正樹裁判長は、懲役1年2月の実刑とした一審東京地裁判決を支持し、執行猶予を求めた弁護側控訴を棄却した。
 判決後に会見した弁護人は、斎藤被告の意向を受け上告しない方針を明らかにし、「オウム事件の被害者とご遺族の方に申し訳ない気持ちでいっぱいです。これから刑務所、そして社会に戻れてからも一生罪を償ってまいります」とする同被告のコメントを読み上げた。
 若原裁判長は「平田被告を14年以上かくまったことで、事件の真相のさらなる解明が進まず、逮捕されないことで社会が抱いた不安感が解消されなかった」と批判。斎藤被告が自首して真剣に反省しており、教団との関わりや精神的帰依も既にないことなどを考慮しても、一審判決が重過ぎて不当とは言えないとした。