「大変です、爆発です」=吉田前所長、緊迫の報告―画面大揺れ・東電映像

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「爆発が今、起こりました」。史上最悪の原発事故から1年5カ月。東京電力が6日公開したテレビ会議の映像には、福島第1原発で3号機原子炉建屋が水素爆発した瞬間の幹部らの緊迫したやりとりが生々しく残されていた。
 3号機は昨年3月14日午前11時1分、同12日の1号機に続き水素爆発を起こした。その瞬間、1〜4号機の北側にある免震重要棟の緊急時対策室に設置されたカメラは大きく縦に揺れた。
 「本店、本店、大変です、大変です」。対策室にいた吉田昌郎所長(当時)の呼び掛けが響く。「多分水蒸気だと思います。爆発が今起こりました。11時1分です」。叫ぶように報告すると、「11時1分、了解です。緊急連絡します」と冷静な声が流れた。
 吉田所長は「免震重要棟では分からないのですけれど」と前置きし、「地震とは明らかに違う横揺れで、地震のような後揺れがない。1号機と同じ爆発だと思います」と報告。清水正孝社長(同)らが詰める東電本社の非常災害対策室も緊迫した空気に包まれた。
 免震重要棟の緊急時対策室では「3号機のパラメータを見てくれ」「中性子に変化ありません」と声が飛び交った。続いて「まず退避と安否確認をしてください」「津波も来るという警報があるので、なるべく早く引き揚げてください」との指示も聞こえた。
 公開された映像には12日午後の1号機や15日朝の4号機の爆発時の様子も含まれていたが、音声はなかった。免震重要棟に最も近い1号機が爆発した際、緊急時対策室の映像はさらに大きく揺れ、落下した天井の一部を職員が振り払う場面もあった。