尼崎事件 「香川・岡山にも遺棄」 被告宅保証人ら不明

20121016-00000850-yom-000-1-view兵庫県尼崎市の民家から3人の遺体が見つかった事件で、昨年11月のドラム缶詰め遺体事件で起訴された角田(すみだ)美代子被告(64)の自宅マンションの元所有者の男性の弟と、マンションの連帯保証人の女性が行方不明になっていることが捜査関係者への取材でわかった。民家で見つかった遺体の1人がこの女性の可能性もあるという。美代子被告の周辺では、この男女を含め、計7人の行方が分からなくなっており、県警尼崎東署捜査本部は、遺体の身元確認を急いでいる。

捜査本部は16日も殺人容疑で民家を捜索して事件につながる物証などを捜している。美代子被告の周辺の関係者は「(民家に見つかった3人以外にも)殺害された3人の遺体が香川県や岡山県に埋められた」とも証言しており、今後、他の場所の捜査も進める方針。

 捜査関係者や登記簿などによると、マンションは同市長洲東通3の8階建ての一室で、00年9月に新築分譲された。元の所有者は、美代子被告の戸籍上の妹、角田三枝子被告(59)の夫。三枝子被告は、遺体が見つかった民家の住人で行方不明の女性(87)とその長男(69)の年金を勝手に引き出したとして、窃盗罪で起訴された。

 夫の連帯保証人は、美代子被告の兄の交際相手の女性だった。夫の弟と、この女性の2人の行方がわからなくなっているという。民家で見つかった遺体の1人は60〜80代の女性で、女性と特徴が似ているという。

 一方、夫は沖縄県で事故死したとされている。マンションの所有権は07年10月、「05年の相続」を理由に、三枝子被告に変更された。マンションには一時期、美代子被告らと民家の女性の長男や次男が同居していたという。

 昨年11月に大江和子さん(当時66歳)が遺体で見つかったドラム缶事件で、美代子被告が逮捕された後も関係者が生活を続けていた。今年6月、ローンの支払いが滞り、マンションは競売に掛けられた。

 美代子被告の周辺では、ほかに、美代子被告の息子の妻の角田瑠衣被告(27)=同じ窃盗罪で起訴=の姉(29)、瑠衣被告の伯父らの行方がわからなくなっている。
尼崎事件 角田美代子