北朝鮮ミサイル 政府、迎撃準備完了 10日から予告期間

20121208-00000059-mai-000-4-view政府は8日、北朝鮮による長距離弾道ミサイル発射への準備態勢を整えた。北朝鮮は10〜22日の午前7時〜正午の間に「人工衛星」を打ち上げると予告しているが、政府は10〜12日に発射する可能性があるとみて警戒を強めている。

野田佳彦首相と藤村修官房長官は10日以降、予告時間帯に首相官邸に詰め、即応態勢をとる。玄葉光一郎外相ら関係閣僚も各省庁で待機する。発射時期については、「故金正日総書記の一周忌の17日を念頭に置いているのではないか」(外務省幹部)との見方もあるほか、天候にも左右される。

 防衛省・自衛隊は海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載したイージス艦を予告経路に近い沖縄近海の東シナ海などに3隻展開。地上配備型迎撃ミサイル「パトリオット」(PAC3)も沖縄本島と宮古島、石垣島、東京・市ケ谷など計7カ所に配備を完了した。ミサイルの一部が日本の領土や領海に落下する危険性が生じれば、まずSM3を発射し、打ち損じた場合にPAC3で破壊する。

 米軍の早期警戒衛星から早期警戒情報(SEW)が日本政府に届くのは、ミサイルの熱源を探知してから約1分後。日本側は下※島(鹿児島)などの警戒管制レーダーやイージス艦のレーダーで追跡し、ミサイルの位置や着弾地点、時刻を割り出す。迎撃の必要性は航空総隊司令官が判断する。発射から日本上空を通過するまで約10分とみられる。