笹子トンネル事故 遺族が中日本高速幹部らを刑事告訴へ

9人が死亡した山梨県大月市の中央自動車道・笹子(ささご)トンネルの天井板崩落事故で、ワゴン車に乗っていた5人の遺族が、トンネルを管理していた中日本高速道路の幹部らを業務上過失致死傷容疑で来月中にも刑事告訴する。代理人の弁護士への取材で20日分かった。既に県警は同容疑で捜査中だが、弁護士は「責任の所在を明確にしたいという思いを遺族からも表明したい」と説明している。

 告訴するのは、東京都千代田区のシェアハウスで同居していた、いずれも会社員、石川友梨さん(28)▽上田達さん(27)▽松本玲さん(28)▽小林洋平さん(27)▽森重之さん(27)−−の両親。5人は山梨観光の帰りに事故に遭った。

 弁護士によると、金子剛一社長ら中日本高速幹部に加え、点検を行っていた子会社「中日本ハイウェイ・エンジニアリング東京」(東京都)幹部らの告訴を検討している。

 5人の遺族は両社に賠償を求め提訴する意向も固めている。打音検査を00年を最後に行わなかった点検状況の他、天井板を下からボルトで留めてつり下げる工法自体も問題視しており、77年開通の同トンネルの建設にかかわった国の責任追及も検討しているという。