大画面が魅力の「Xperia Z」の使い心地を検証、持ちやすさ以外は合格点

NTTドコモの2013年春モデルの中でも人気が高いのが、5型の大型ディスプレイを搭載するソニーの「Xperia Z SO-02E」だ。薄型の防水・防じん対応ボディ、クアッドコアプロセッサー、容量の大きなバッテリーを備え、NFCやAndroid4.1など最新スペックに対応。ウォークマンアプリなどAV機能も充実している。Xperiaシリーズのフラッグシップにあたるフルスペックのスマートフォンだが、実際の使い勝手はどうなのか。購入したので早速チェックしてみたい。

薄型で質感の高いデザイン

ボディはフラットな板状で、とてもすっきりとした見た目だ。microUSBやヘッドフォン端子など端子部分のカバーがたくさんあるが、目立ちにくいよう、うまく処理している。右側面の中央にはアルミ素材を利用した電源ボタンとボリュームボタンが配置され、これがデザインのアクセントになっているが、手に持ったときに押してしまいそうな位置にあるので、少し慣れが必要かもしれない。

 ディスプレイ面と背面の両方が強化ガラスでカバーされていて、透明感のあるガラスの質感を生かしたデザインだ。ボディはIPX5/7相当の防水とIP5X相当の防じんに対応している。堅ろう感も高い。

 気になったのは少し持ちにくいこと。スマートフォンとしては最大クラスになる5型ディスプレイを搭載しているので、本体幅は71mmとかなり大柄だ。筆者の手が成人男性としては小さめということもあり、ちょっと持ちづらく感じたのだろう。またガラス面を保護するためか縁が少し高くなっていて、これが手のひらに当たるのも気になった。

 たとえば、左手で持ちながら画面右端にあるアイコンを左親指で押そうとすると、ギリギリ届かずに手前のアイコンに触れてしまうことが多い。重さも約146gでスマートフォンの中では重め。そのため片手で使おうとすると本体の保持がやや不安定になって入力しづらい。手の大きい人なら問題なさそうだが、この辺りは自分の手に合うサイズかどうか店頭で確認した方がいいだろう。

大きいだけでなく精細で高画質なディスプレイ

 「Xperia Z」の特徴のひとつが、スマートフォンとしては最大クラスとなる5型ディスプレイだ。大きいだけでなく解像度も高く、現在普及している多くの薄型テレビと同じ1920×1080ドットのフルHDに対応している。5型サイズにフルHDの解像度を持つので密度は443ppiと高精細だ。従来機種の「Xperia GX」は1280×720ドットの4.6型ディスプレイだったので密度は323ppiだった。Xperia Zの方がよりきめ細かな表示ができることになる。

 実際に写真や動画を見るとそれが実感できる。たとえばPC向けのWebページを表示したとき、解像度1280×720ドットのスマートフォンではつぶれて読めなかった細かい文字も読み取れる。

 同社薄型テレビで使われている画像処理エンジンのモバイル版「モバイルBRAVIAエンジン2」を搭載している。輝度はかなり上げることができるので、普段の利用はバックライトを7〜8割程度の明るさで十分だ。コントラストもくっきりとしている。発色は鮮やかすぎて逆に少々不自然に感じることもある。

 また、液晶面とガラスの空気層をなくすことで外光の映り込みを低減した。実際に使ってみても映り込みはあまり目立たず、またバックライトを暗くした状態で日光下で使っても、画面を読み取りやすかった。ただし視野角はやや狭く感じられる。タッチパネルの反応や精度などは問題なく感じた。

暗いところでの撮影に強いカメラ機能

背面には1310万画素のカメラを搭載する。新開発の積層型CMOSイメージセンサーにより、逆光のような明暗差のある場面でも見た目に近い撮影ができるという。実際にためしてみても、暗所撮影に比較的強い印象だ。HDRビデオ撮影も可能で、白飛びや黒くつぶれることの少ない動画が撮れる。

大きさと位置が変えられるソフトキーボード

 OSはAndroid4.1を採用している。ユーザーインターフェースは、NTTドコモのスマートフォン共通のPalette UIのほか、独自のホーム画面に切り替えられる。こちらの方が動作は軽く感じた。画面の1/4ぐらいのサイズでウィンドウ表示されるスモールアプリも便利だ。

 ソニー独自の日本語入力機能の「POBox」は、QWERTYやテンキーのほか50音キーボードなどに切り替えられるのが特徴だ。便利なのはキーボードのサイズと位置も変えられること。前述したようにディスプレイが大きいために指が届きにくい場合は、キーボードの位置や大きさを調整すると少し使いやすくなる。

充実したAV機能と、良好な音質

Xperiaシリーズの特徴は、音楽再生や動画再生などのAV機能が充実していることだ。音楽再生用に独自の「WALKMAN」アプリを用意し、音質はスマートフォンの中でも良好だ。イコライジングはプリセットやマニュアルで設定することも可能だが、自動的に音質を設定してくれるClear Audio+モードも備える。

 スピーカーの音質もスマートフォン内蔵としては良好で、スピーカーに適した音質に変更するモードも備える。付属のヘッドセットもスマホ付属のものとしては音が良く、市販の4〜5千円クラスレベルといった印象だ。マイク付きで通話にも使うことができ、装着感が自然で疲れにくいのも好印象。

 DTCP-IP対応に対応し、対応BDレコーダーなどに録画したテレビ番組を呼び出してストリーミング再生できる。録画番組を転送して持ち出す機能にも対応しているが、残念ながら筆者自宅の環境では利用できなかった。

 Speria Zをメディアサーバーにして、LAN上の機器からアクセスして動画や写真などを再生することもできる。このほかPlayStation Certifiedに対応。音楽配信サービスMusic Unlimitedなどのアプリも最初からインストールされている。

ガラケーとしての機能も完備!

 ワンセグ、赤外線通信、おサイフケータイなどの、いわゆるガラケー機能にも対応しているのも特長だ。NFCにも対応している。NFCの利用はまだそれほど広まっていないが、同じソニー製のXperia Tablet Zとワンタッチでデータ交換したり、NFC対応スピーカーと接続したりといった使い方ができる。一方、NOTTV、おくだけ充電には対応していない。

過不足ないスペック

 プロセッサーにはAPQ8064(1.5GHz)を搭載している。クアッドコアプロセッサーで処理性能には不満を感じることはほぼないが、アプリによっては反応がやや鈍くなることもあった。OSはAndroid 4.1を搭載する。

 内蔵ユーザーメモリーは16GBだが、メモリーカードスロットはmicroSDXCカードに対応し、最大64GBのカードまで利用できる。これを利用すれば大量の音楽データや動画、撮影した写真を持ち歩くのに不足はなさそうだ。通信機能はNTTドコモのLTEサービス「Xi」に対応。最大10台までのテザリングに対応する。無線機能はIEEE802.11a/b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0に対応する。

大容量バッテリーの内蔵で、6〜7時間は使える

バッテリーの容量は2330mAhで、最近は2500mAhクラスの製品も増えてきているとはいえ、スマートフォンとしては大容量と言える。残念ながらバッテリーは内蔵固定で交換はできないので、外出先でバッテリーが切れたときのために、モバイルバッテリーを併用したいところだ。

 連続待ち受け時間は3Gで約480時間、LTEで約420時間。連続通話時間は3Gで640分となっている。実際に2週間ほど使ってみて、省電力モードはオフにしてディスプレイの輝度を80%程度に設定し、SNSやWebブラウズ、ゲームアプリなどをちょくちょく使って6〜7時間は持つ印象だ。輝度を半分にして時折メールチェックやSNSを利用する程度なら朝から夕方まで10時間近く充電なしで利用できた。

 少し気になったのは、使っていると熱くなってくること。触れないほどで熱くなるわけではないが、夏場は少々心配だ。なお、本体色と同じ色の充電用スタンドが付属する。スタンドに置くと連動してアルバムなどのアプリが起動するように設定できる。カバーの開閉をしなくても充電できるので便利だ。

大きさに問題がなければベストに近い選択

Xperia Z SO-02Eは、大型で精細なディスプレイ、多彩な撮影ができるカメラ機能、独自アプリによる音楽再生機能など、ソニーのAV機器の技術が生かされたスマートフォンだ。スペックが高く、バッテリー容量が大きいなどスマートフォンとしての基本性能も十分高く、春モデルの中で人気が高いのも納得できる。

 ただし大型ディスプレイを搭載した結果、本体サイズも大きくなっているので、持ちやすいと感じるかどうかが選択のポイントだ。これが気にならない人には、国内メーカー製端末の中でおすすめの機種と言えるだろう。