松坂、昇格ピンチ!右ふくらはぎけいれんで緊急降板

◆オープン戦 インディアンス0―0エンゼルス(11日・アリゾナ州グッドイヤー) インディアンスとマイナー契約の松坂大輔投手(32)は、エンゼルス戦で6回から登板したが、右足の異常を訴え1イニングを投げただけで降板した。チームの開幕ローテ枠争いが佳境を迎えている中、負傷で調整が遅れるようだと、メジャー昇格に影響が出るのは必至だ。

 悲願のメジャー復帰に暗雲が垂れ込めた。松坂は6回から3番手として登板。この回は1安打無失点と無難に抑えたものの、異変の予兆は見てとれた。1死後、ハミルトンに左前打を許した後、マウンドで何度も屈伸運動をするなど、違和感を訴えていた。

 苦しげな表情に変わったのは2イニング目の7回、投球練習を始めたときだった。右ふくらはぎのけいれんだった。ベンチから駆け付けたフランコーナ監督が、慰めるように左肩を叩いた。予定の4回を投げることなく不完全燃焼のまま降板。何が何でもアピールが求められた試合だが、マイナー契約の招待選手には痛すぎる結果となった。

 トレーナー、通訳とともにクラブハウスに引き揚げたが、報道陣へのコメントはなし。指揮官は「あの状態では、投げさせられない。1イニング目を投げた後、なんとか(筋肉を)緩めようとしたが、マウンドに戻っても痛そうだった」と語った。

 この試合は3番手だったが、あくまでも先発を想定し試合途中に球場入り。ブルペンからではなく、一度ベンチに戻ってからマウンドへ向かう調整で挑んだが、直球はMAXで89マイル(143キロ)、平均85マイル(137キロ)と明らかに球威が不足していた。

 幸い、けいれんは軽症の様子。だが、問題はチームの先発枠が固まりつつあるタイミングでの負傷ということだ。9日にマカリスターが、マスターソン、ヒメネス、マイヤーズに続く先発4人目の枠に決定。残る1枠をカズミアー、松坂、カラスコが争っている。この日はライバルのカズミアーが先発で4回無失点。はっきりと明暗を分けた。

 「明日(12日)は休みだし、その後、様子をみてからだ」と指揮官は語るにとどまった。4月2日の開幕まで残された時間は、わずかだ。メジャーを目指す松坂は、極めて厳しい状況にいる。