憲法・政治本が熱い夏 県内書店にコーナー、コンビニにも並ぶ

6月上旬に憲法本のコーナーを設けた八文字屋本店(山形市)。堅めの解説本から漫画で学ぶタイプまで約30点が並ぶ。購入の動きが出てきたのは5月下旬から。鳥谷部昭子本店課長は「『そもそも憲法改正ってどういうこと?』という疑問から始まっているみたいです」。
売れている本のうち「図説 日本国憲法の誕生」(河出書房新社)は制定の経緯を写真や図説を交えて紹介。「赤ペンチェック 自民党憲法改正草案」(大月書店)は、自民党が昨年発表した改正草案と現行憲法を比較した上で注目点を挙げている。
「憲法九条はなぜ制定されたか」(岩波ブックレット)なども売れている。主に中高年の人たちが買っていく。鳥谷部課長は「これまで憲法の本が売れることはあまりなかった。改正論議をきっかけに注目してもらえるのはいいこと」。
かつてのベストセラーを県内の一部店舗に並べているのはセブン―イレブンだ。1982(昭和57)年発行の「日本国憲法」(小学館)。前文と全103条を収め、漢字全てにルビを振っている。改正論議を機に若者にも親しんでもらおうと6月下旬から販売している。山形市内のある店舗は3冊を仕入れ、うち2冊が売れた。
こまつ書店寿町本店(山形市)では、アベノミクスを取り上げた本の販売が伸びている。売れ筋は「『アベノミクス』の真相」(中経出版)。祭り上げることに危機感を示し「アホノミクス」とこき下ろす。分かりやすく解説した「池上彰の学べるニュース7」(海竜社)は30〜50代の男性が手にすることが多いという。
鈴木真基店長は「参院選投票日(21日)までの間、争点に関する本はさらに増えるだろう」と見込んでいる。