千原ジュニアが惨敗した「ディズニーシーの爆笑王」
フジテレビ系バラエティ番組「人志松本のすべらない話」で、最も面白かったネタに与えられるMVS(Most Valuable すべらない話)を何度も獲得し、その話術を高く評価されているお笑い芸人・千原ジュニア。かつては「ジャックナイフ」と称され、笑いに対して妥協のない態度を貫いてきた彼が、芸人としてディズニーのあるキャラクターに惨敗したと、3月28日放送の読売テレビ系バラエティ「にけつッ!!」で語っている。
あるバラエティ番組のロケでディズニーシーを訪れていたジュニアは、様々なアトラクションを体験した後、スタッフから「ディズニーシーには爆笑王がいる」と聞かされる。
その爆笑王とは、映画「ファインディング・ニモ」のキャラクター・ウミガメの「クラッシュ」のことで、ディズニーシーの人気アトラクション「タートル・トーク」に登場する。水槽を模したスクリーン越しに、クラッシュとの生の会話を楽しめるというもので、そのセリフによって会場は爆笑に次ぐ爆笑だという。
ジュニアがロケで訪れた際も、会場はすでに大盛りあがり。そんな中、クラッシュの「質問はあるか?」との呼びかけに対し、芸人として対抗意識を燃やしたジュニアは、手を挙げて指名を受けにいったという。
クラッシュに「千原ジュニアです!」と名前を伝えたところ、芸能人の存在に周囲は騒然。ところがクラッシュは「おいおい、なに騒いでるんだ?そんな面白い名前なのか?」と冷静に答え、「地上のことは知らない」という設定で返してきたそうだ。
さらに「好きなことわざはなんですか」とジュニアが尋ねると、「ことわざってなんだ?」と、またも冷静に返すクラッシュ。「例えば、鶴は千年、亀は万年とか…」とジュニアが答えるや否や、クラッシュは「人の寿命を勝手に決めるんじゃねーよ!」と叫び、亀という立場を利用した絶妙の切り返しに、会場はまたも大爆笑となった。
さらに「亀の寿命は大体80年ぐらいなんだよ。まぁ俺は150歳だけどな」と続け、ジュニアが「38歳です」と年齢を答えると、クラッシュは「まだ卵から帰ったばかりじゃねーか!」と鋭いツッコミを見せ、またも会場は爆笑。その後も始終クラッシュが注目を集め、アトラクションは終了したそうだ。
結局ジュニアは全く笑いをとれず、しばらく悔しさを引きずったという。芸人として雪辱を果たすため、ジュニアはロケの5日後、今度はプライベートで「タートル・トーク」を訪れたという。その様子を、6月29日放送の「人志松本のすべらない話」で明かしている。
変装して会場にもぐりこんだジュニアは、必死に手を挙げ、またも指名を受けることに成功。ニット帽とマスクを外し、クラッシュに「千原ジュニアって言います!」と大きな声で伝えると、会場はまたも騒然となり、二人のやりとりに注目が集まった。クラッシュは観客が静まるまで待ち、今度は「おーい、俺より人気者は嫌いだぜー」とジャブを繰り出してきたそうだ。
「好きなテレビ番組なんですか」と質問したジュニアにも、「テレビ?テレビっていったい何だ」とまたも設定を守るクラッシュ。ジュニアが「四角い箱で、そこにはおもしろい人がいっぱい出てるんです」と答えると、クラッシュは「おもしろい人って一体誰だ?」と尋ねてきたという。
そこでジュニアは「例えば、あの…千原ジュニアとか?」と自らの名前を例に挙げ、会場で小さな笑いをとることに成功。しかし喜びもつかの間、クラッシュから「そんなに面白いのか…じゃあ、今からおもしろいこと言ってくれよ!」「千原ジュニアは面白いんだろう?だったら俺を笑わせてくれよ!」と鋭い返しをされてしまい、周囲からとてつもないプレッシャーを受けたという。
ジュニアは、この状況では何を言ってもウケないと感じたため「あの、あれですわ…千原ジュニアはそんなに面白くないです...」とついに逃げてしまい、観客からブーイングを受けてしまう。この様子を見たクラッシュは「はじめの歓声を聞いたら、千原ジュニアがどれだけ面白いかわかったぜ」「また遊ぼうな、バーイ!」と優しい言葉をかけ、ジュニアの危機を救って去って行ったそうだ。
ジュニアはこの時の気持ちを「俺ね、亀に助けられた」と語り、「すべらない話」を締めくくった。
二度も「ディズニーの爆笑王」に惨敗したジュニアだったが、このネタでまたも「すべらない話」のMVSに輝いている。かつての「ジャックナイフ」ジュニアならば、自らの屈辱をネタにすることはなかっただろう。丸くなったことは、芸人・ジュニアにとってはマイナスではなかったようだ。