ドコモのツートップ戦略は迷走

ドコモのツートップ戦略は筋の悪さを感じます。なにを目標にしたいのか、なにを得ようとしているのかが見えないからです。だから、iPhoneの国内人気による劣勢に歯止めをかけるためではないかとか、iPhoneを発売するための体制づくりではないかとか、ドコモの携帯契約ユーザーのスマートフォンへの買い替え促進ではないかといった憶測も飛び交いました。

しかし、それで純増数の増加、流出の歯止めが効けばまだしも、その効果もほとんどなかったために、「はじめてスマホ割」の対象機種を拡大し、Xperia AやGalaxy S4以外の機種に対しても5040円の割引(24ヶ月合計)を導入することでツートップ戦略の軌道修正を行なっています。つまりツートップ戦略は失敗し、ふたたび迷走を始めたのです。
NTTドコモは、5月の2013年夏モデルで「Galaxy S4 SC-04E」と「Xperia A SO-04E」に割引を集中する“ツートップ戦略”を敢行していた。しかし、2機種以外の売り上げが極端に少なくなり、また6月のMNPでも146,900件減の転出超過、契約者数も純減となるなど、戦略の見直しを迫られていた。今回の割引サービスの対象機種拡大は、その第一歩となる施策といえる。

いまだになぜソニーとサムスンのフラッグシップ機によるツートップ戦略だったのかも謎です。どんな人ならどちらを選ぶべきかのサゼッションもないままでした。スマートフォンは、いかに日本がスマートフォンの普及が遅れているとはいえ、初期採用者やアーリー・マジョリティ層には普及しつくし、市場が新しい段階に移ってきていただけに、機能満載のフラッグ機を訴求するよりも、買い求めやすさや選ぶための焦点づくりが鍵だったと思えるからです。

買い替え促進を考えてもそうです。すべてのドコモユーザーが同じフラッグシップ機を必要とするのかも疑問です。iPhone一色のソフトバンクやauとは違って、多様なユーザーを抱えるドコモとしては、ユーザーニーズに見合った機種が選べることを強みにすべきではなかったかと感じます。

ドコモにとっても戦略効果がなかった割に、切り捨てられたという恨みだけが国内メーカーに残ったのではないでしょうか。ソフトバンクやauに売り負けているのが、ほとうに機種の機能で負けていたからなのか、考えなおしてみればと感じてなりません。