エジプト騒乱 観光産業は壊滅的な状態に

20130819-00000014-jijp-000-1-view混乱が続くエジプトで、18日、新たにおよそ150人が死亡したことがわかり、5日間の死者は900人を超えた。こうした騒乱を受け、エジプトの観光産業は、壊滅的な状態に陥っている。
エジプト・カイロ近郊では、普段は世界各国からの旅行者の姿が見られるが、1人の姿も見られなかった。
エジプト観光の目玉「ピラミッド」の入り口は、門がしっかりと閉じられ、訪れた観光客は、遠目に記念写真を撮っていた。
ピラミッドに通じる道路には、軍の装甲車が展開するなど、多くの人でにぎわうはずの観光地は、普段と全く異なる姿になっている。
いつもは土産店でにぎわう通りも、全く店が開いていない。
土産物店の店主は「もう2週間も収入がないんです」と話した。
1,000軒の土産店が並ぶカイロ市内最大の市場は、今では、シャッター通りと化していた。
また市内で、主に日本からの旅行を扱う旅行会社では、予定を書き込むホワイトボードも真っ白いままで、スタッフも全員休みを取っているという。
経営者のヤセルさんは、それでも毎日、日本の旅行会社にエジプトの状況を報告している。
旅行会社経営のヤセルさんは「悲劇です。今は大きな悲劇です。きょうは何人死んだか、何人けがしたとか、それだけを報告するのは本当に心が痛いものがありますね。毎日毎日」と話した。
エジプトでは、労働人口のおよそ1割が観光業に従事している。
観光大国は今、危機的な状況に陥っている。