不正アクセス 逮捕の大阪市職員、橋下市長に匿名メール

大阪市職員が不正アクセス禁止法違反容疑で逮捕された事件で、この職員が所属部署のアドレスから橋下徹市長に人事の不満を記した匿名メールを送っていたとみられることが、市の調査で分かった。市が発信元を調べると、逮捕された職員のパソコンから送信されていたことが判明。本人以外のIDで不正なアクセスを実行していた形跡も見つかったため、事件が発覚したという。大阪府警は動機や経緯を調べている。

 逮捕されたのは大阪市建設局職員の西野和晃(かずあき)容疑者(32)。市によると、西野容疑者は昨年2月〜今年6月に約200回、元上司ら7人と22部署のIDとパスワードを不正に使い、庁内ネットワークに侵入。うち88回は人事室で、人事評価や異動、昇任などに関する資料が保存されていた。内部資料を外部にメール送信した記録もあり、府警は流出した内容や宛先の確認を進める。

 西野容疑者は今年4月、経済戦略局から建設局南部方面公園事務所に異動した。異動前日、経済戦略局の組織アドレスから「経済戦略局で働けると思っていたのにモチベーションが下がった」という内容の匿名メールが橋下市長に寄せられ、市がアクセス記録を調べた結果、西野容疑者が浮上したという。

 市は4日に記者会見し「法を守る公務員にあるまじき行為で、深くおわびする」と述べた。