リニア新幹線「五輪前の部分開業も無理」 JR東海社長

20130816-00010000-wordleaf-000-1-viewJR東海の山田佳臣社長は11日の定例会見で、東京・品川―名古屋で2027年の先行開業を目指すリニア中央新幹線について、「工事には10年以上かかる。短縮しようがない」と述べ、20年開催の五輪には間に合わないとの見方を示した。

 山田社長は「名古屋、品川のターミナル駅や南アルプスのトンネル工事に2桁の年数がかかる。部分開業も無理で、外国人のお客さまに乗ってもらうことにはとうていなり得ない」と話した。そのうえで、訪日する海外政府関係者らを対象に、山梨県の実験線を使った体験乗車を実施する考えも示した。

 また、中間駅を含む各駅の詳細な位置やルートなどを盛り込んだ環境影響評価準備書を18日午前、発表すると明らかにした。準備書は18日朝から、沿線の7都県と約40市区町村に届けたのち、名古屋と東京で会見を開く。山田社長は「必要な調査は8月中にすべて終えており、内容的には自信を持っている」と話した。

 準備書は1400ページ。全文をJR東海のホームページで閲覧できるようにする。その後1カ月間、沿線約90カ所で住民説明会などを開いて理解を求め、来年の着工を目指す。