シャープ 9月中間予想を上方修正 営業黒字300億円に

経営再建中のシャープは17日、2013年9月中間連結業績予想を上方修正する方針を固めた。本業のもうけを示す営業損益を、従来予想の2倍に当たる300億円前後の黒字(前年同期は1688億円の赤字)に修正する。18日にも、約1500億円規模の公募増資の実施などと合わせて発表し、再建が進んでいることをアピールする。

 同社の7〜9月期は、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度に支えられ、太陽電池事業の売り上げが好調を維持。スマートフォン(多機能携帯電話)向けの液晶の出荷好調も寄与した。猛暑でエアコンの売り上げも伸びたようだ。今年5月に示した同期の営業利益は250億円の見込みだったが、これを上回る見通し。

 4〜6月期は当初100億円の営業赤字の見込みだったが、好調な太陽電池事業などに支えられ、30億円の営業黒字だった。これらの要因から、同社は営業損益を150億円前後、上方修正する見通し。最終赤字も従来予想の200億円(前年同期は3875億円の赤字)から縮小するとみられる。

 同社は18日、2期連続の巨額赤字で大幅に減った資本を増やすため、増資策を発表する見通し。一般投資家を対象にした公募増資を1500億円程度行うほか、住宅設備大手のLIXIL(リクシル)グループ、電動工具大手のマキタ、自動車部品最大手のデンソーを引受先に行う計200億円程度の第三者割当増資も実施する。これらの資本増強策で、経営の健全性を示すシャープの自己資本比率は6月末の6%から10%台に回復する見通しだ。