6代目王者かもめんたる、小島よしおに「恩返しだ」

20130920-00000352-oric-000-1-view“コント日本一”を決める『キングオブコント2013』の決勝戦が23日、東京・赤坂のTBSで行われ、決勝進出2度目のかもめんたるが6代目キングに輝いた。早稲田大学のお笑いサークルの先輩・岩崎う大(35)と後輩・槙尾ユウスケ(32)が、2007年10月にコンビ結成。6年目でつかんだ初タイトルは、彼ら自身の頑張りもさることながら、ピン芸人・小島よしおの存在を抜きにして語ることはできない。

岩崎が部長を務めていた早大のお笑いサークルに、新入生として槙尾と小島が入ったのが3人の出会い。そのお笑いサークルからできた5人組コントグループ「WAGE」(ワゲ)として共に活動したが、2006年に「WAGE」が解散。その後、小島がピン芸人としてブレークするのを見て、お互いフリーだった岩崎と槙尾も一念発起した。

 「もう一回やってみようと思った。小島が売れてなかったら、僕らもコンビは組んでいなかったと思う」と槙尾。岩崎は「(ブレークした小島を見て)道はちゃんと成功に続いているんだと思ったのと、俺の運まで持って行ったなと、その当時は思っていましたね」と憎まれ口を叩いて笑わせた。

 かもめんたるは小島と同じサンミュージックプロダクションに所属。『R-1ぐらんぷり』2位のスギちゃんも所属する同事務所から初のチャンピオンが生まれたことになる。「僕らみたいなのが、チャンスつかむには大きな大会で優勝するしかないと思っていた」と岩崎。『キングオブコント』で優勝すれば、一夜にして“メジャー”な存在となり、仕事のオファーも殺到。昨年の王者バイきんぐは、9000円だった月収が、優勝後は最高200万円まで跳ね上がったという。

 初挑戦だった昨年、3位に食い込んだかもめんたるは、「優勝を狙える」手応えをつかみ、どうしたら優勝できるかを考えながらこの一年間を過ごした。その中で「あんまり『キングオブコント』にとらわれてしまうと、ほかのコンビと一緒になっちゃうから、違うことをやったら」と、アドバイスしたのが小島だった。

 『キングオブコント』のネタ披露の時間は、1回戦2分(昨年の準決勝進出者は免除)、2回戦、準決勝、決勝は4分。それに合わせた短いネタばかりを作らず、あえて90分のコントを作って3人芝居をしたこともあった。今回の1stステージでかもめんたるが披露した「言葉売り」のネタも、単独ライブで評判がよかった10分くらいのネタを4分に縮めたものだった。

 かもめんたるにとって小島は「僕らのプロデューサーみたいな感じ」(槙尾)。「小島とは優勝してもしなくても、(今後のことを考える)“かもめんたる会議”を開こうと話していた。近いうちに会うと思うので、その時、ありがとうと言いたい」(岩崎)と感謝。

 優勝賞金の1000万円の使い道も「いろいろ無償で手伝ってくれた人がいるので、そういう人たちに恩返ししたい。小島よしおも毎回おごってくれていたし。そういう近い人を連れて旅行に行こうという話はしていたので、それは実現させたい」(岩崎)と話していた。