東レが米ゾルテックを買収、低コスト炭素繊維を強化
東レ<3402.T>は27日、米炭素繊維メーカーのゾルテック<ZOLT.O>を5億8400万ドルで買収すると発表した。東レは航空機向けなど高機能の炭素繊維を主力としてきたが、低コストの製品を得意とするゾルテックを取り込み、供給先を広げる。炭素繊維は強度が高くて軽いのが特徴で、東レによると、年率15%以上の成長が期待されている。しかし、東レが手掛けるレギューラートウという高機能品は、価格が高いのがネックとなっており、高品質が求められる航空機や天然ガス圧力容器などに用途が限られている。
一方、ゾルテックが主力とするのはラージトウと呼ばれる低価格品。より汎用性が高く、需要が拡大している風力発電関連向けに採用されているほか、自動車にも用途が広がることが期待されている。
ゾルテックは米ミズーリ州セントルイスに本拠を置く1975年設立の炭素繊維メーカー。2012年9月期の売上高は1億8633万ドルだった。
東レはゾルテックの全株式を1株あたり16.75ドルで取得する。買収に当たってのファイナンシャルアドバイザーは非公表。