第一原発作業員の日当1万円上乗せへ 東電

東京電力は8日、福島第一原発の廃炉作業などに携わる人員確保に向け、作業員の日当が1万円上乗せとなるよう元請け会社への支払額を増やすと発表した。労働環境の改善策をまとめた緊急安全対策に盛り込んだ。
 12月以降に発注する第一原発内の作業に適用する。第一原発は空間放射線量が高く、作業条件が劣悪なため、東電はこれまでも通常の人件費に比べ、1万円を割り増ししていた。今後は割増分が2万円と倍増する。ただ、元請けから下請けへと仕事が回される過程で、末端に十分な手当が支払われない「中抜き」が問題化している。割り増し分が確実に届いているか確認するためアンケートを実施する。
 緊急安全対策は第一原発で相次いだ汚染水漏れを受けて、策定した。このほか、作業ミスをなくすため全面マスクを着けずに作業できるエリアを広げる。