ダンス議連 風営法改正案を提出へ 規制緩和盛り込む

若者が踊る「クラブ」やダンス教室の営業を規制する風営法を巡り、超党派の国会議員による「ダンス文化推進議連」(会長・小坂憲次元文部科学相)は、規制緩和を盛り込んだ風営法の改正原案をまとめた。ダンス教室を同法が定める「風俗営業」から除外するなどの内容。今国会に改正案を提出する。

 客にダンスをさせる営業は、キャバレーなどと同様に風俗営業の許可が必要。許可を得るには一定以上の営業面積などの要件があり、許可を受けても営業時間が原則午前0時までと制限がある。さらに、ペアダンスを教えるダンス教室は、国が指定したダンス団体が実施する講習を修了した指導者がいないと規制対象になる。

 改正原案では、ダンス教室は「風俗営業」から外すことによって、風営法の規制を受けないようにする。クラブについても、午前0時を過ぎても営業ができるように規制緩和する内容を盛り込む方針。

 2010年末以降、大阪をはじめとする全国で、警察によるクラブの無許可営業での摘発が強化されたのを受け、各自治体など行政側の対応も厳しくなり、現場は混乱した。

 高知市では12年、高齢者向けの社交ダンスの公民館講座が突然、市の要請で中止になった。指導者を置いていなかったためで、公民館を管理する市が高知県警と相談し、無許可営業に当たると判断した。大阪市でも昨年、警察庁が「少額の参加料徴収なら営利目的にはあたらない」と通達した後も、市中央公会堂(北区)など公的施設で、愛好家団体が開くダンス発表会などの利用を制限した。

 こうした問題を受け、音楽家の坂本龍一さんや大友良英さんらが呼びかけ人となって法改正を求める署名活動を全国で展開。15万人分の署名を国会に提出されたのを受けて昨年5月、ダンス文化議連が発足した。

 一方でクラブの摘発強化は深夜の騒音や酔客のトラブルなどを懸念する住民からの要望を受けており、議連は中間報告(昨年11月)で、クラブ側に対する自主規制の必要性についても指摘している。