「温泉」実は温めた水道水…消費者庁が措置命令

消費者庁は23日、愛知県南知多町の旅館経営会社「豆千待月(まめせんたいげつ)」(鈴木邦弘社長)が、ホームページや旅行情報ウェブサイトで温めた水道水を温泉のように表示したり、豪州産牛肉や養殖ふぐを使っているのに、和牛や天然ふぐと表示したりしたなどとして、景品表示法(優良誤認)に基づき、消費者への周知と再発防止を求める措置命令を出した。

 現在はいずれも改善されているという。

 調査をした公正取引委員会中部事務所によると、同社は町内で旅館3軒を経営。旅館「いち豆(ず)」では2012年11月中旬〜14年3月17日、三つの貸し切り浴場について、「1300メートルの地下より涌き出る良質な温泉」などとサイトに記載。しかし、調査で水道水を温めたものとわかった。

 また、旅館「豆千本館」では12年10月頃〜14年1月上旬、料理に「ジューシーな地元和牛の知多牛」を使っているとサイトに表示。旅館「豆千待月」も13年10月頃〜14年2月末、料理に天然トラフグを使用していると掲載していた。しかし、それぞれ豪州産の輸入牛肉、養殖トラフグや安価なゴマフグを使っていたという。

 天然トラフグの市場価格は1キロ当たり8000円前後が中心だが、養殖トラフグは同3800〜4500円ほど、ゴマフグは同1050円ほどだったという。

 同社は2008年2月に設立。取材に対し、「担当者が不在で、コメントできない」としている。