「寝耳に水」神戸に衝撃 スカイマーク再生法申請

「寝耳に水だ」。スカイマークが民事再生法適用の申請を決めた28日、神戸空港を運営する神戸市や地元経済界に衝撃が広がった。同社が「西日本の拠点」と位置付ける同空港。当面の運航は継続される見通しだが、発着便の多くを同社が担うだけに、先行きの不透明さはぬぐえない。空港利用者からも不安の声が上がった。

同市役所では同日夜、担当部署の幹部らが事実確認や報道各社の対応に追われた。ある幹部は「成田撤退など、経営改善に向けて着実に進んでいると思っていたのだが…」と驚いた表情を浮かべた。

 同社は21日、今年3〜8月の運航ダイヤを発表し、神戸空港の便数の維持が決まったばかり。その前後の担当者同士のやりとりでは民事再生法の適用申請について全く触れられなかったという。路線の整理などがあれば空港運営への影響は避けられず、この幹部は「今は推移を見守るしかない」と繰り返した。

 神戸商工会議所の大橋忠晴会頭は「残念の極み」と話し、「神戸を含む関西の航空需要は今後も伸びるし、拠点として使ってくれる航空会社があるのはありがたいこと。身の丈に合った適正な形で何とか再生してもらえれば」と期待をかけた。

 スカイマーク便の利用者も、困惑を隠せなかった。羽田から神戸空港に到着した神戸市兵庫区のパート男性(56)は「ほぼ満席だったので、『なぜ』と感じる。価格も安くて助かるので、何とか頑張ってほしい」。一方で苦戦する路線もみられ、鹿児島便に乗った姫路市の主婦(56)は「今日もガラガラで、昔に比べてサービスが落ちたようにも思う」と話した。