廃止メール便の代替新サービスは最大8倍の659円 企業向けは安値維持

ヤマト運輸は3日、3月末で廃止する「クロネコメール便」について、4月から小型の荷物に対応した代替サービスを導入すると発表した。従来の宅急便より小さな荷物が対象で、料金は従来のメール便と比べて高くなるが、速達性や確実性といったサービス品質の向上によって利用者の理解を得たい考えだ。

 新サービス「宅急便コンパクト」はネットで通販や個人間取引での雑貨や日用品の配送を想定し、箱型(25×20×5センチ)と薄型(34×25センチ)の2種類の専用ボックスを用意した。

 料金は最安659円(専用ボックス代65円含む)。メール便(82円または164円)の4倍または8倍へと値上がりする。現行の宅急便の最小サイズより安くなる。別途料金を支払えば翌日配達や郵便受けへの投函、メールでの通知も可能。会見した山内雅喜社長は「料金は上がるが、使い勝手は非常に良くなる」と述べた。

 同社は、手紙などの「信書」をメール便で送った顧客が郵便法違反に問われるケースが相次いだことを受け、1月にメール便の廃止を発表。その際、ダイレクトメールなどを発送する法人向けサービスとしては、内容物を事前確認する「クロネコDM便」の導入を決めていた。新料金は現在の上限料金である164円を上限として維持する。