ヨーロッパ中央銀行、量的緩和を9日に開始

デフレ懸念が広がるなか、ECB=ヨーロッパ中央銀行は5日、今年1月に導入を決めた量的緩和について、今月9日から始めると表明しました。ユーロ圏諸国の国債を月におよそ8兆円買い入れます。

 景気の刺激にむけてECB=ヨーロッパ中央銀行は、市場に大量の資金を供給する「量的緩和」の導入を今年1月の理事会で決定していたもので、ドラギ総裁は5日の会見で、「今月9日から開始する」と表明しました。

 具体的には、1か月で日本円にしておよそ8兆円分のユーロ圏諸国の国債などを、少なくとも来年9月まで買い入れるということです。

 またECBはこの日、ユーロ圏における今年の物価上昇率の見通しを0%に引き下げる一方で、2016年の上昇率についてはプラスの1.5%へと上方修正しました。

 さらにドラギ総裁は、デフレ阻止にむけた一連の金融政策によって、物価上昇率が今後、ECBが目標とする2%に近い水準に戻っていくという期待感を示しました。