平成27年春闘 電機、ベア3000円決着へ 富士通は横並びに難色

平成27年春闘で、日立製作所やパナソニックなど電機大手は13日、賃金を一律で引き上げるベースアップ(ベア)について月額3千円と回答する方向で最終調整に入った。ただ、電機連合との交渉の中心となる大手6社のうち富士通は、2500円のベアと500円分の諸手当を合わせ、賃金改善の総額で3千円とすることを検討している。横並び回答という電機産業の慣例が破られる可能性が出ている。

 ベアは昨年の2千円が過去最高で、今年は6社がこれを上回る水準を実施することが確実。

 円安を背景に業績が大幅に改善する中、デフレ脱却に向けた「経済の好循環」に貢献する必要性を認識し、高水準のベアに踏み切る。

 ただ、経営側には今後も毎年、ベアが続くと固定費が膨らみ、経営の足かせになりかねないという危機感が強い。

 このため、富士通は「賃金改善の総額としては他社と並ぶが、すべてをベアとはしない」(幹部)と、慣例に縛られない内容の回答を模索している。

 電機の春闘は14日から大詰めの交渉に入る。富士通は独自の回答を検討するが、労組側のベアへのこだわりは強く、18日の集中回答日まで激しい交渉が続きそうだ。