シャープ 賃金削減へ…5月の中期計画盛り込み

シャープは18日、社員の賃金を減らす方向で本格検討に入った。テレビや太陽電池事業などの不振で2015年3月期連結決算で2500億円に迫る最終(当期)赤字を計上する見通しとなったためで、削減幅は数%になるとみられる。5月中旬に発表する中期経営計画で明示し、できる限り早期に実行する。

 同社は18日午前、15年春闘で労働組合に対し、定期昇給を凍結せず、賃金体系を維持すると回答。夏のボーナスについては、14年夏・冬の2カ月分から1カ月分に半減するとした。だが、賃金削減を中期経営計画に盛り込むことは避けられない状況で、今後、構造改革とセットで賃金の削減幅を詰め、改めて労組に提案する。

 12、13年3月期には2年間で計9200億円超の最終赤字を計上して経営危機に陥り、12年4月〜14年3月に管理職の賃金を5〜10%、一般社員の賃金を2〜7%削減。2年間で人件費を計388億円減らした。14年3月期には最終黒字に転じ、14年4月からは賃金削減を取りやめていた。