免震ゴム、7棟交換要求…調査結果「安全」でも
東洋ゴム工業(大阪市)の免震ゴムの性能が偽装されていた問題で、国土交通省が施設名を公表した10府県16棟のうち4府県7棟の管理者が、建物の安全性についての調査結果にかかわらず全面交換を求める意向を持っていることが、読売新聞の取材でわかった。現在18都府県の全55棟を対象に進む調査の結果次第では、残る48棟にも交換を求める動きが広がる可能性があるが、交換製品の供給には1年以上かかるとみられ、問題は長期化する恐れも出ている。
現時点で全面交換を求めているのは、神奈川芸術劇場(横浜市)を所有する神奈川県と、高知市の県庁本庁舎など4棟が対象の高知県、県庁第1別館の愛媛県、舞鶴医療センター(京都府舞鶴市)の国立病院機構。他の7府県9棟を管理する自治体や病院などは検討中とした。
愛媛県の中村時広知事は19日、「県民の生命財産を守る最重要拠点であることに鑑(かんが)みて、建物の安全性が確認されたとしても製品の交換を求めざるを得ない」と表明。高知県でも、対象4棟の免震ゴム全面取り換えを求める意見が県議会委員会で全会一致で決まり、尾崎正直知事が20日、東洋ゴムに交換スケジュールを示すよう要請した。