イチロー、8戦連続安打 シアトルや日本からの応援に「うれしいね」

「ジャイアンツ2−7マーリンズ」(7日、サンフランシスコ)

 マーリンズのイチロー外野手(41)が「5番・左翼」で出場し、5打数1安打。8戦連続安打で打率は・286となった。メジャー通算安打数は2868本で、歴代42位のベーブ・ルースの記録まであと5とした。

負けず嫌い。「僕、結果出してないし、そりゃ、やりたいよ」。イチローがそう振り返ったのは七回の打席だ。ここまで3打席無安打に抑えられていた先発のハドソンはすでに6失点、球数は90球を超えていた。いつ交代してもおかしくない状況だったが、このままやられっぱなしで終われるわけがなかった。

 「そりゃそうでしょ、そんなの言うまでもない」

 対戦を熱望したこの日4度目の勝負。2ボール1ストライクからの4球目、142キロの内角高めシンカーをセンターへ弾き返した。うっ憤を晴らす一打で連続試合安打を8に伸ばした。

 ハドソンは2001年4月2日のメジャーデビュー戦で対戦した相手だ。当時のイチローはマリナーズで、ハドソンはアスレチックスでプレーしていた。結果は空振り三振を含む3タコだった。

 「あの時のハドソンの印象は強烈でしたからね。(レッドソックスなどでプレーし、野球殿堂入りした)ペドロ・マルティネスとハドソン、この2人は忘れないと思います」

 14年の時をへてイチローは41歳、ハドソンは39歳になった。「敵なんだけど、そういう人たちは限られてるので、同志みたいな感じ。敵なんだけど、一緒に頑張りたい。そういう思いは、特にハドソンにはあります。頑張ってほしいですね」と、熱い思いを言葉にした。

 今季初の西海岸遠征。古巣シアトルからは安打数カウンター『イチメーター』で知られるエイミーさんのほか、日本からも熱狂的ファンが応援に駆けつけた。「エイミーもそうだし、シアトルからは何人か来てくれたみたい。いつもよく見る顔が日本からもありましたし、うれしいね。神戸と東京の距離じゃないからね。やっぱり、日本とは違う感覚の気持ちが生まれるわねえ」としきりに感激していた。

 イチローがヒットを打った瞬間、左中間スタンドの『イチメーター』の数字が「2868」に変わった。感謝の気持ちを伝える1本になった。